現在主に流通しているコーヒー豆が実は2種しかないということを知っていますか?
コーヒー豆には主要な品種がいくつかありますが、世界中で流通しているのはアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)の2つです。特にアラビカ種が全体の約60%、ロブスタ種(カネフォラ種)が約40%を占めると言われています。

正確にはもう1種類、リベリカという種類があります!ただ市場流通が1%未満の超レア種で、市場流通しているほとんどがアラビカ種とカネフォラ種です!
アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)の特徴を表にまとめると次のようになります。
| 項目 | アラビカ種 | ロブスタ種(カネフォラ種) |
|---|---|---|
| 世界シェア | 約60% | 約40% |
| 主な用途 | ドリップコーヒー、エスプレッソ、スペシャルティコーヒー | インスタントコーヒー、缶コーヒー、アイスコーヒー、エスプレッソのブレンド用 |
| 日本での流通 | カフェ・喫茶店で主流 | 缶コーヒー・インスタント・アイス用に多用 |
| 酸味 | 爽やかでフルーティー(柑橘・ベリー系) | 控えめ、酸味より苦味が強い |
| 甘味・コク | 糖分・油分が多く、チョコやナッツのような甘味・濃厚さ | 甘味・油分少なめ、香ばしく重量感ある味 |
| 苦味 | カフェイン量少なめ → 苦味は抑えめ、バランス良い | カフェイン量が約2倍、クロロゲン酸も多く強い苦味 |
| カフェイン量 | 少なめ(ロブスタの約半分) | 多い(アラビカの約2倍) |
| 栽培条件 | 涼しい高地(標高1,200m以上)、病気に弱い、生産量少なめ | 高温多湿の低地、病害虫に強い、生産量が多い |
| コスト | 生産コストが高い、価格も高め | 栽培容易でコスト低い、価格も安め |
| 代表的な特徴 | 華やかでまろやか、酸味・甘味が魅力 | 力強い苦味と香ばしさ、クレマが出やすい |
それでは、この2種がどんなコーヒーに使われ、味や苦味、コスト面でどう違うのかを見ていきましょう!
1. 用途:どんなコーヒーに使われるか
- アラビカ種:華やかな香りと風味が特徴の高級豆で、主にコーヒー専門店やカフェで提供されるドリップコーヒーやエスプレッソに使われます。スペシャルティコーヒーとして産地ごとの個性を楽しむ際にもアラビカ種が圧倒的に主流です。焙煎度合いによって柑橘系の酸味からナッツ・チョコ系のコクまで幅広い味わいが楽しめるのも特徴です。
- ロブスタ種(カネフォラ種):カフェインや苦味が強く、香ばしさが際立つ豆です。そのため、インスタントコーヒーや缶コーヒー、またアイスコーヒー用のブレンドによく用いられます。一般的にストレートで飲むことは少なく、エスプレッソに少量ブレンドしてクレマ(泡)を出しやすくしたり、安定した味を出す目的で利用されます。たとえば伝統的なイタリアンエスプレッソでは、濃いコクと豊かな泡のために数%ほどロブスタ種を混ぜることがあります。
2. 日本でよく見かけるのは?
日本のカフェや喫茶店で出されるコーヒーはほとんどがアラビカ種です。
こだわりの専門店では珍しい風味を楽しむためにごく少量のロブスタ種を扱う例もありますが、多くの日本人はまろやかなアラビカ種を好んで選んでいます。
一方で、缶コーヒーやインスタントコーヒー、アイスコーヒーにはロブスタ種が多用されます。
カネフォラ種はインスタントコーヒーや缶コーヒー、アイスコーヒー用のブレンドに使われることが多いです。酸味が少なく、味の調整用や工業用原料、インスタントコーヒーなどに利用され、日本では主にアイスコーヒー用として広く用いられています。
3. 味の違い(酸味・甘味・コクなど)
- 酸味: アラビカ種は標高の高い冷涼な産地でゆっくり成熟するため、爽やかでくっきりした酸味が際立ちます。柑橘系やベリー系の果実味を思わせるフルーティーな酸味が特徴で、浅煎りでは特に顕著です。ロブスタ種は逆に酸味が控えめで、舌に残る酸っぱさよりも苦味・渋味が強く感じられます。
- 甘味・コク: アラビカ種は糖分や油分が豊富に含まれており、焙煎時にキャラメルやチョコレートのような甘味や香ばしさが生まれます。そのため、甘く濃厚なコクも楽しめます。一方ロブスタ種は糖分が少なく脂肪分も控えめなので、甘味やまろやかなコクはアラビカ種ほど感じにくいです。代わりに炒った麦(焙煎した大麦)のような香ばしさが強く、重量感のある味わいになります。
4. 苦味の違い
ロブスタ種は苦味がとても強い豆です。
一般にロブスタ種はアラビカ種の約2倍のカフェインを含み、この高いカフェイン量が苦味を引き立てます。さらにクロロゲン酸(苦味成分)も多いため、濃い苦味としっかりしたコクになります。深煎りにするとその苦味がさらに際立ち、ミルクや砂糖と合わせたときにも重厚感を加えます。
対してアラビカ種はカフェイン量が少なめで苦味は抑えめです。そのため、苦味よりも酸味や甘味が口に残り、まろやかでバランスの取れた味わいを楽しめます。
5. コストや栽培の違い
ロブスタ種は栽培が比較的容易で生産コストが低く抑えられます。
高温多湿の低地でも育ち、病害虫に強く、1本あたりの収穫量も多いためです。たとえば、ベトナムやインドネシアの熱帯地域で広く栽培されており、大量生産が可能です。
これに対しアラビカ種は涼しい高地(1,200m以上)を好み、成長に時間がかかります。気温が低く日較差が大きい山間部で育つため、収量は少なく手間もかかり、病気にも弱い傾向があります。
その結果、世界的にアラビカ種はロブスタ種よりも価格が高くなることが多いです。
おわりに
今回は、アラビカ種とロブスタ種の代表的な違いをまとめてみました!
アラビカ種はまろやかな香りと酸味が特徴で、スペシャルティコーヒーで人気が高い一方、ロブスタ種は力強い苦味とコクを活かして日常のコーヒーやエスプレッソブレンドに利用されています。両者の違いを知って、自分好みのコーヒーを探してみましょう!

ちなみに、コーヒー豆の様々な名前は「産地(農園)」や「精製の工程」で名づけられていることが多いです!このあたりもまたいずれ説明できればと思います!


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