日本酒は日本の伝統文化を象徴する飲み物の一つ。とはいえ、初めての人にとっては種類や味の違いなど、わかりにくいことも多いですよね。この記事では、20代の初心者に向けて日本酒の基礎知識と、甘口・辛口の違い、そしておすすめの銘柄をご紹介します。
日本酒とは?
日本酒とは、米を原料に麹菌と酵母で発酵させて造る日本独特の醸造酒です。酒税法上、清酒(いわゆる日本酒)は「米・米麹・水を原料として発酵させてこしたお酒」で、アルコール度数は22%未満などの定義があります。
一般的なアルコール度数は15~16%前後で、製造には酒米を精米し、麹菌を植え付けて糖化・発酵させる工程が欠かせません。
日本酒は、並行複発酵という手法で糖化と発酵を同時に進める点が大きな特徴で、米の旨味が豊かに引き出されます。

ちなみに醸造酒の作り方は主に3種類で、その一つが並行複発酵。
他には「単発酵」(ワイン)、「単行複発酵」(ビール)という種類があるよ!
蒸留酒や混成酒はこれらをベースに作られているみたい!
初心者が知っておきたい日本酒の種類
日本酒は原料や精米歩合などでいくつかの種類に分かれます。主な分類は以下の通りです:
- 純米酒:米・米麹・水だけで造る清酒。米の旨味とコクがしっかり感じられる重厚な味わいが特徴です。
- 本醸造酒:純米酒に少量の醸造アルコールを加えたタイプ。アルコール添加により軽やかでキレの良い飲み口になります。
- 吟醸酒・大吟醸酒:精米歩合をさらに厳しく(一般に吟醸は50%以下、大吟醸は35%以下)磨いた高級酒。低温長期発酵でフルーティーな吟醸香(リンゴやメロンのような香り)が引き出され、繊細で華やかな味わいが楽しめます。
上記以外にも「普通酒(普段飲み用)」「にごり酒(白く濁った甘口系)」などの区分がありますが、初心者はまず純米酒・本醸造・吟醸酒の違いを押さえると良いでしょう。

精米歩合は、酒造りに使う米をどれだけ磨いたかを示す割合。
例えば「精米歩合60%」は、玄米の外側40%を削り落とし、内部の60%を使用していることを意味しているんだ。
数値が低いほど芯に近い部分のみを使うため、不純物が少なく香り高い繊細な味わいになるよ!
日本酒の「甘口」と「辛口」の違いとは?
日本酒の味わいを語る際によく出てくるのが「甘口」「辛口」という言葉です。これは主に日本酒度と酸度という指標で表します。
日本酒度は糖分濃度を示す指標で、値が低い(マイナスに近い)ほど甘口、高い(プラスに近い)ほど辛口とされます。一般的には「日本酒度−1.4~+1.4を中庸」とし、それより低ければ甘口、高ければ辛口と判断します。
酸度は酒中の有機酸量を表し、値が高いほど味にしっかり感や酸味が感じられます。酸度が高くキレの良い酒は、日本酒度が中間でも辛口に感じることがあります。甘口・辛口はこれらの目安に加え、香味全体のバランスで判断されることを知っておきましょう。
初心者向けのおすすめ日本酒銘柄
甘口タイプ
- 澪(みお):スパークリング日本酒で、アルコール度数も低め。甘酸っぱいフルーティで飲みやすく初心者に人気。
- 菊水 四段仕込 本醸造:通常より多くの米を用いて仕込む独自製法によるお酒。まろやかでコクのある甘みとすっきりしたキレが特徴。
辛口タイプ
- 久保田 千寿 吟醸:新潟の代表的な淡麗辛口酒。雑味がなく透き通った味わいで、すっきりしたキレの良さが特徴。食事とも合わせやすく、最初の1本に人気の定番銘柄。
- 浦霞 純米:宮城県の銘柄。米の旨みを感じる上品な味わい。冷酒はもちろん、燗にしても味わいが深まり、幅広い料理と相性が良い。
以上のような銘柄は手に入りやすく、味のイメージもつかみやすいので初心者向けにぴったりです。甘口・辛口については今後さらに深掘りして紹介する予定です。
日本酒を楽しむためのポイント
- 温度:冷酒・常温・燗酒など、飲む温度によって味わいは大きく変わります。
一般に吟醸酒やフルーティーな酒は冷やして香りを楽しみ、純米酒やコクのある酒はぬる燗(40~45℃程度)でまろやかな旨味が引き立ちます。季節や好みに応じて温度を変えてみましょう。 - 器:ガラスやワイングラスで飲むと香りを感じやすくなり、陶器のとっくり・おちょこでは懐かしい雰囲気で味わえます。冷酒は透明な器、燗酒は陶器の器で飲むのもおすすめです。
- 食事との相性:日本酒は和食全般はもちろん、チーズや洋食ともよく合います。たとえば、淡麗な酒は刺身や白身魚に、味の濃い酒は焼き魚・煮物・肉料理に合います。また、ビールやワイン好きの人は、甘めの日本酒を食前酒やデザート酒として楽しむのもおいしい方法です。
- 飲み比べ・ギフト:少量ずつ多様な味を試せる「飲み比べセット」や、複数銘柄が詰まった「日本酒ギフト」は初心者に最適です。いろいろなタイプを試しながらお気に入りを見つけられ、お土産や贈り物にも喜ばれます。
まとめ:まずはお気に入りの1本を見つけよう
日本酒は種類も味も豊富で、初心者でも楽しめるポイントがたくさんあります。まずは甘口・辛口の違いや基本の種類を押さえ、自分の好みに合う銘柄を試してみましょう。
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